株式会社ナレッジリンクスでは、昨年度に引き続き、農林水産省の事業を活用し島根県が取り組む「しまね食品産業連携プロジェクト(しまねLFP)推進事業」の事務局運営業務を受託し、事業を進めていきます。

この事業は、地域の農林水産物等を活用し、社会的課題の解決と経済性が両立する持続可能な新たなビジネスを創出する仕組みを構築することを目的としています。

ローカルフードプロジェクト
(LFP)とは

「地域の食品産業を中心とした多様な関係者が参画するプラットフォームを形成し、地域の農林水産物を活用したビジネスを継続的に創出する仕組み」の構築を目指す事業です。

地域の食品産業を中心とした多様な関係者が、それぞれの持つ経営資源をプラットフォームに結集して、社会的課題解決と経済的利益の両立を目指した持続可能な新たなビジネスを創出します。

株式会社ナレッジリンクスでは、令和4,令和5年と農林水産省の事業を活用し島根県が取り組む「しまね食品産業連携プロジェクト(しまねLFP)推進事業」の事務局運営業務を受託し、事業を進めました。

この事業は、地域の農林水産物等を活用し、社会的課題の解決と経済性が両立する持続可能な新たなビジネスを創出する仕組みを構築することを目的としています。

LFPのパートナーが結束することでマーケットインのものづくりが可能になり、新しい価値づくりのための人と人、人と情報をつなげるためのプラットフォームが構築されました。
この取り組みから生まれるモノや仲間が地域を豊かにし、それが持続可能な地域社会への一歩となったことを実感しています。

今後は、「しまねLFPパートナー」は地域の可能性を最大限に引き出し、持続可能な未来の実現に向けて積極的に取り組んでまいります。

プロジェクト創出に至るまで

島根県は、流通面などで不利な条件を抱える小規模産地が多くあり、一般的な青果販売では他県との競争力に乏しい課題があります。しかしながら、世の中の消費や嗜好の変化に対応する持続可能な農業・農村の実現を目指し、令和4年度と令和5年度においてプラットフォームを構築してまいりました。

令和4年度取組

プロジェクトの誕生

島根では全国に先駆けて県版GAP(美味しまね認証)の取得推進、有機農業の推進に取り組んでおり、安全安心な農林水産物の生産・供給が強みであることから、しまねLFPにおいて「美味しまね認証農産物、有機農産物を使った多機能レトルトフード」の開発を行いました。

プラットフォーム形成~商品開発について

しまねLFPプロジェクトでは、県内の美味しまね認証農産物や有機JAS認証農産物の規格外品を活用した多機能レトルトフード「しまねの惣菜シリーズ」の開発に取り組むことになりました。 今回のプロジェクトでは、県産野菜が持つおいしさや香り、栄養価、機能性を最大限に引き出す多機能なレトルトフードの商品化に加えて、非常食や防災食としても利用可能なマルチジャンル対応商品を目指しました。また、ローリングストックとしても販売可能な商品を開発することを目標としました。 規格外品の原材料を活用し、素材のままでは消費量に限界がある生鮮素材を加工商品にすることで、生産者の収入増につなげる取り組みを推進しました。

プロジェクトメンバーの声

浅利観光株式会社 取締役常務
植田智之さん

島根には『出来る人』や『いいもの』が数多く存在します。私の役割は、それらの要素をつなぐことにあります。私自身が特定のスキルや能力を持っているわけではありませんが、周囲にあるリソースや人材を結びつけ、協力関係を築くことで地域の発展に貢献したいと考えています。

しまねLFPのパートナーの皆さんには、優れた人材や素晴らしい製品が集まっています。人と人、モノとモノがつながり、相互に影響し合うことで、地域の課題解決に向けた新たな可能性が生まれると信じています。

日頃、島根にはポテンシャルが十分にあると確信しており、生産者の意欲や安定した取引を促進するために、規格外野菜の活用を拡大し、生産者との信頼関係を強化していきたいと思います。地域の課題を解決するために、LFPパートナーと協力し、島根の可能性を最大限に引き出していきたいと考えています。

令和5年度取組

プロジェクトの誕生

地元スーパーである株式会社キヌヤは、独自に『ローカルブランド協議会』を立ち上げ、売り場の2割以上に地域産品を取り扱うことを目指し、地域の生産者と協力して持続可能な地域社会を築く取り組みを行っています。今回LFPの取組として、キヌヤは小売店や食品製造業、美味しまね認証生産者を含む農家と協力しつつ、プロジェクトを進めました。

プラットフォーム形成~商品開発について

令和5年、しまねLFPプロジェクトでは、県内の美味しまね認証農産物や有機JAS認証農産物の規格外品など、県産品農産物をキヌヤ産直会員生産者などから原材料を調達し、県産業技術センターの協力のもと、2種類の乾燥方法で粉末野菜の開発に取り組みました。この取り組みを活用して、プロジェクトメンバー3社がそれぞれの得意分野を生かし、ナゲットの試作開発を行いました。

彼らの専門知識と経験を結集し、ナゲットの開発に取り組むと同時に、地元生産者の収入増に貢献する取り組みを推進しました。

プロジェクトメンバーの声

株式会社キヌヤ 代表取締役専務
戸津川 健さん

LFPのメリット×自社の強み
地域課題の解決めざす

LFPに参画している企業の業種はさまざまです。地元有機野菜生産における価格や流通の課題解決を目指して、弊社で提案した粉末野菜を使った「フィッシュナゲット」の開発は、農家の方々はもちろん、仕出し業者や練り物製造業者、包装業者などが技術や経験を結集して進めています。

開発を進める中で、意見を出し合うことで商品がよりブラッシュアップされることを実感しました。また、自社の強みを活かすこともできました。さらに、県産業技術センターで試作や成分分析に協力いただけたことは、LFP参加の大きな収穫でした。企業同士の交流を促進するだけでなく、公的機関の協力や、エンドユーザーに近い小売店などとの協業によって市場ニーズを探れることはLFPの大きなメリットです。

今後もLFPで得たノウハウをもとに、地域の生産者の課題解決ができる商品開発を進めていきたいと考えています。

今後の展望(総括)

LFPのパートナーが結束することでマーケットインのものづくりが可能になり、新しい価値づくりのための人と人、人と情報をつなげるためのプラットフォームが構築されました。この取り組みから生まれるモノや仲間が地域を豊かにし、それが持続可能な地域社会への一歩となったことを実感しています。今後も、「しまねLFPパートナー」は地域の可能性を最大限に引き出し、持続可能な未来の実現に向けて積極的に取り組みます。

<しまねLFPパートナーとは>

県産農林水産物を活用し、従来とは異なる発想のもと、新たなビジネスモデルの創出を目指す方、異業種連携・交流に関心のある方、LFPの取組の趣旨に賛同される方(県産農林水産物を活用した新商品・新サービスの開発に取り組みたい農林漁業者、食品加工事業者等。県産農林水産物を活用した新商品・新サービスの開発に技術や知識で協力できる加工事業者、大学、試験研究機関、支援機関等)

<しまねLFPプラットフォームとは>

LFPパートナーで構成される、新たなビジネスを生み出すためのプラットフォーム(集まる場)。

<令和4、令和5年度LFPパートナーの4つの取り組み>

LFPパートナーは、様々な支援を活用しました。

  1. ①パートナー間での情報交換や交流(LFPパートナーと事務局)
  2. ②しまね食品産業連携プロジェクト(LFP)推進事業(国補助金)
  3. ③専門家のアドバイス(事務局)
  4. ④交流会・セミナーの開催(事務局)

プラットフォームに参加するLFPパートナーの皆さまには、新たなビジネスを生み出すアイデア出しのワークショップやクラウドファンディングの研修会等に参加しました。

R5年度 活動一覧

研修会 戦略会議
第1回:7月24日(月)13:00~15:45
LFPの意義やプラットフォームに参画した事業者の意識醸成に資する講議
(zoomオンラインライブ配信)
・『LFPの意義等について』『今期JR企画の取組』
 中央LFP事務局 青木 一馬 氏
・『昨年の事例と、LFPの取組ポイント』
 LFPコーディネーター 株式会社アール・ピー・アイ 佐藤 孝弘 氏
・モルツウェル株式会社 代表取締役 野津 積 氏
第1回:9月15日(金)13:00~
しまねLFPで取り組む間接補助事業内容の検討、間接補助事業者及び連携する事業者の選定、間接補助事業者以外の事業内容検討
(zoomオンラインライブ配信)
・テーマごとに事業計画発表
第2回:8月31日(木)13:00~16:00 場所:朱鷺会館(出雲市)
地域資源の洗い出しにより、新たなビジネスモデルのアイデアを生み出すための勉強会・ワークショップ、クラウドファンディング等の勉強会
第一部(会場参集・オンラインライブ配信)
講演
・For Good(株式会社ボーダレス・ジャパン)小松航大 氏
第二部ワークショップ(会場参集のみ)
・複数のテーマをもとにLFPパートナーでワークショップ及びブラッシュアップ
第2回:2月28日(水)14:00~15:30(zoomオンラインライブ配信)
間接補助事業及びそれ以外の事業の進捗状況確認、取り組み内容のブラッシュアップ
・R5LFP取組発表報告 株式会社キヌヤ 代表取締役専務 戸津川 健氏
・テーマについて講評
    LFPコーディネーター 株式会社アール・ピー・アイ 佐藤 孝弘 氏
第3回:2月28日(水)14:00~15:30(zoomオンラインライブ配信)
地域の実情や想定する新たなビジネスを踏まえた研修
・中央LFPより他県の取組事例とR5の総括 中央LFP事務局 青木 一馬 氏
・地域資源を活用した新製品の開発支援
         浜田技術センター 食品技術科 科長 松林和彦 氏

〇戦略会議で打ち出された「新たなビジネス」には、国補助金の交付やクラウドファンディング実施に向けた支援を行います。

R4年度 活動一覧

研修会 戦略会議
第1回(7/25開催):
LFPの意義やLFPパートナーの意識醸成等に資する講義
・LFPでイノベーションを創発させるためのヒント
 中央 LFP 事務局 ネゴシエーター 佐藤 孝弘 氏
・「アルファ化米の変遷と非常食イノベーション~」
 アルファー食品株式会社 代表取締役 林 隆史 氏
第1回(9/8開催):
ローカルフードビジネスの取組内容の検討及び選定(1プロジェクト)及び連携するLFPパートナーのマッチング推進
・プレゼンテーション
・審査結果報告
・講評
第2回・第3回研修会 午前の部(8/23 10:00~12:00、ZOOMウェビナー開催)
ローカルフードビジネスを生み出すための勉強会、ワークショップ
講演
 R3年実践者「こうしてローカルフードは生まれる」
 長野県産きのこを活用した、ヘルシー商品の開発のアイデアだし~開発、販売
 共通課題は何か
 長野のイノベーションは何か
  長野県:地域事務局 株式会社産直新聞社 毛賀澤明宏氏

講演 For Good (株式会社ボーダレス・ジャパン)  小松航大氏
 ・クラウドファンディングとは ?
 ・クラウドファンディング活用の事例
 ・For Good の特徴

講演 FISM 株式会社 小柳兼嗣氏
 ・インフルエンサー (SNS) を活用した、売り上げ拡大の仕組みなど
第2回・第3回戦略会議(2/24 13:00~15:30 会場参集と Zoom ミーティングによるハイブリッド開催)
・今年度取組内容報告 
  しまね LFP 事務局
・間接補助事業 実施状況報告
  浅利観光株式会社
・実施状況評価と今後の展開に向けたアドバイス
  中央 LFP 事務局ネゴシエーター 佐藤 孝弘 氏
  中央 LFP 事務局コーディネーター 宮崎 秀和 氏
・令和 5 年度しまね LFP 事業計画、スケジュール
  島根県産地支援課
・今年度の振り返り、次年度の取組等に関する意見交換
  しまね LFP 事務局、しまね LFP パートナー
第2回・第3回研修会 午後の部(8/23 13:00~15:00開催、対面のみ)
・ワークショップ
・各グループから取りまとめた内容を発表
・講師からの講評、検討結果共有

〇戦略会議で打ち出された「ローカルフードビジネス」には、国補助金の交付やクラウドファンディング実施に向けた支援を行います。(国補助金交付による支援は、令和4年度は1件のみ実施予定)

LFP事業についての
今後のお問い合わせ先

島根県農林水産部
産地支援課販売物流係

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
TEL:0852-22-5271
FAX :0852-22-6036